生活実感に近い「実質賃金」が24カ月連続で前年同月を下回り、過去最長を更新した。今後は歴史的な高水準となった今春闘の賃上げが反映されていく見通しだが、円安による物価の上ぶれなどで実質賃金のプラス定着は来年度以降になるとの見方も出ている。

 「力強い賃上げの動きが中小企業に広がっていくことが重要。今年、物価上昇を上回る所得を実現していく考えだ」。林芳正官房長官は9日の会見で、実質賃金の減少についてこう述べた。

 実質賃金のマイナスが続いたのは、これまで2007年9月~09年7月の23カ月が最長だった。しかし、当時と今回(22年4月~24年3月の24カ月)では、大きく状況が異なる。

過去最長の24カ月連続マイナス 背景、そして今後の見通しは

 当時はリーマン・ショックを…

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